「回転するコマが倒れない仕組み」を知恵袋で回答させて頂きました。しかし、hottokesucerさんは、自己紹介されているとおりかなりのご年配の方らしく、長文での説明では一向に内容が伝わりません。そこで、図と平易な文章で、「回転するコマが倒れない仕組み」の説明を試みたいと思います。

 

.コマの歳差運動

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今、黒線のコマが回転しています。このコマの回転軸を赤の矢印のとおり倒すとどうなるでしょうか。コマの緑の部分αは、慣性により黒のコマの時と水平に回転します。即ち、αは円周bを回ります。コマの灰色の部分βも同じです。円周cを回ります。従って、コマは赤の様に傾き、回転軸はくるくると首を振ります。

一方、回転が速ければ、αとβには遠心力が掛かり最も大きな円周上を回ろうとします。従って、αもβも円周aを回る様になります。即ち、コマの回転が遅ければ、少し倒すと回転軸はくるくると首を振り、回転が速ければコマは直ぐに元に戻ろうとします。

しかし、これではコマが傾くと重力により次第に傾きが大きくなり、終には倒れてしまいます。

 

.コマの回転軸がゆっくりと首を振って回る仕組み

komanokubifuriunndou.jpg回転するコマには、ゆっくりと回転軸が首を振る仕組みがあります。その為に、回転するコマは傾いた方向へ倒れてしまうことはありません。これは、上記の様に、歳差運動のみでは説明出来ません。

 

これには、地球の重力が大きく関係しています。回転するコマが、斜めに傾いた状態を考えて見ます。コマの半分は、上から下に落ちる回転となります。残りの半分は、下から上に上がる回転となります。落ちる半分は軽く、上がる半分は重くなります。

これは、遊園地の乗り物を思い出せば、分ると思います。円盤の上に座席があり、円盤が回転しながら様々な方向へ傾く乗り物があります。その時、上から下に落ちる時は体が軽くなり、座席から浮き上がる様に感じます。逆に、下から上がる時、座席に体が沈みこみ重くなった様に感じます。つまり、落ちる時は座席を余り下に押さず、上る時には座席を強く押すのです。

 

回転するコマも、同じことが言えます。半分は軽く、半分は重くなるので、重い方に傾きます。単純に表現すると、傾いた方向から、コマの回転方向に90度先に行った部分が重くなり、逆に90度戻った部分が軽くなります。従って、回転するコマが一旦傾くと、傾いた方向とは90度先の方向へ傾きが移動して行く仕組みがあります。

この為に、回転するコマは傾いても、そのまま倒れてしまうことはなく、その傾きが移動するのです。そして、傾いたコマは、回転軸がゆっくりと回り、首を振る動きをするのです。これは、歳差運動の速い首振りとは異なります。

このゆっくりとした首振りにより、一度傾いた方向に倒れてしまわないのです。

 

Ⅲ.遠心力による直立

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以上の仕組みにより、コマはゆっくりと首振り運動を行います。

この仕組みに加えて、独楽には遠心力により直立する力が働きます。例えば、鉛筆の尖った方を摘んで指パッチンをする感じで鉛筆を床に放ると、上手にすれば下の図の様に、鉛筆の底の円周と床が摩擦して、鉛筆が起上がってくるくる回る現象が見られます。

 

もう少し詳しく考察します。鉛筆が床の上で直立して回転する時、鉛筆の底の丸いふちの部分と床とが触れ合います。鉛筆は傾いているので、鉛筆は床の上を円Oを描いて回転します。すると、円の外側に向かって遠心力が働きます。この遠心力は鉛筆を立ち上がらせる様に働きます。この倒れようとする力と遠心力とが釣り合って、鉛筆は倒れずに床の上をくるくる回るのです。

 

このことは、コマにも当てはまります。コマが傾くと、軸と床が触れ合い、アイススケーターが氷上で円を描くように滑る様に、コマは床の上を円を描いて移動します。コマの回転が速い程、コマの移動速度が速くなり遠心力が強くなるので、コマは直立します。この様に、コマには傾いても直立する仕組みがあるのです。

 

Ⅳ.hottokesucerさんの回答

以上の私の説明に対して、hottokesucerさんは以下の様に反論されました。

>歳差運動のみで説明できます。コマの動きなどというのは、数百年前からニュートン力学を基に解明されており、力学の教科書ならどれにも載っている基本的な常識です。ど素人がおかしな理屈をつけてもどうなるものでもありません。<

 

hottokesucerさんの回答は、「歳差運動」と言う言葉が耳から入って口から出ただけです。仕組みは何も説明されていません。その間4(10)のみです。

hottokesucerさんは、物理学は仕組みを一切考えず、ただ公式で決められたとおりに、数式を操作することであると主張されています。

しかし、物事はその「仕組み」を理解しなければ、その本質を把握することは出来ません。科学では、「エポケー」に陥ってはならないのです。

 

また、hottokesucerさんは次のように主張されています。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10134427870;_ylt=A7YWPRVXS_ZTmwEA8L_5TuB7#dtl_ans

>歳差運動というのは、コマの回転軸が水平方向に移動する現象です。ところがこいつの説明では、コマの左半分の方が右半分より重いからどうのこうのと言っていますが、それなら垂直方向に動くはずです。水平方向に動く歳差運動には何の説明にもなっていません。<

hottokesucerさんは、プロフィールで自己紹介されているとおり、かなりのご年配の方でいらっしゃいます。そのためか、文章での説明では内容が伝わりません。そこで、図による説明を試みます。

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左の図のとおり、コマは手前に傾いています。コマの左半分は上から下に降りる運動をするために自由落下に近くなり軽くなります。一方、右半分は重力に逆らって下から上に登る運動をするのでGが掛かります。その為に、右半分が重力により強く押されるので、コマは右に傾きます。

つまり、コマの傾きは、手前からコマの回転方向へ移ることになります。この様にして、コマの回転軸の傾きは、その角度を保ったままゆっくりとコマの回転方向へ移動して行くのです。これが「歳差運動」です。

 

hottokesucerさんは、コマは軸を地面につけて左右の重さのバランスを取っていることを失念されています。バランスを保っているコマの一方を軽く押すと、コマはそちらに傾きます。この様にして、コマの傾きは水平方向へゆっくりと移動するのです。